2019.2/23~6/9 生誕110年記念 山川惣治展 -「少年王者」「少年ケニヤ」の絵物語作家―

開 館 時 間 午前9時~午後5時(入館は午後4時30分まで)

開   催 2019年2月23日(土)~6月9日(日)

休 館 日 火曜休館

開催 会場  平田文化館(島根県出雲市平田町2112-1)

入 場 料 一般 600円(20名以上の団体100円引き)

*身体障がい者手帳、療育手帳、精神障がい者保健福祉手帳、戦傷病者手帳をお持ちの方


公式 http://izumo-zaidan.jp/tag/hiratahonjin_news/1351


山川惣治(福島県出身、明治41(1908)年~平成4(1992)年)は、劇画の母体となったといわれる絵物語というジャンルを創作しました。絵物語とは、紙芝居の表面(絵の面)と裏面(説明文の面)を雑誌の同一紙面に並べて読ませるというスタイルで、作家には絵描きの能力と小説家的能力の両方が要求されました。

山川が発表した「少年王者」は集英社を急成長させ、また「少年ケニヤ」は産業経済新聞の発行部数を飛躍的に増加させるなど、昭和20~30年代を中心に絶大な人気を誇りました。これらの作品の、弱い者が苦難を乗り越えながら最強の王者になっていく展開は、敗戦後の疲弊した日本人に希望を与え、立ち直る勇気をもたらしました。

自伝的な作品「ノックアウトQ」では、青年時代に世界的なボクサー木村久五郎と共に過ごした日々を描き、梶原一騎は『劇画一代』という本の中で「『ノックアウトQ』との運命的な出会い。この大傑作なかりせば、私が後年『あしたのジョー』を生む日もなかったろう」と述べています。そのほか山川作品は多くの作家を魅了し、戦後の大衆文化の発展に与えた影響は計り知れないものがありました。

戦後の荒廃から立ち直るきっかけの一つともなったといわれる国民的絵物語作家、山川惣治の作品世界を存分にご高覧ください。

山川惣治(やまかわそうじ) 略歴

明治41(1908)年生まれ。福島県出身。昭和6(1931)年から街頭紙芝居を描きはじめ「少年王者」を描いて評判になり、続いて「少年タイガー」をヒットさせた。

昭和14(1939)年より『少年倶楽部』に絵を描く。同誌では紙芝居作家出身であるという山川の特性を生かすために「誌上紙芝居」という形態を考案した。紙芝居の絵と文を並べて見せるもので、それは「絵物語」と名称を変えた。

昭和22(1947)年、集英社から絵物語『少年王者』が刊行されはじめ、爆発的なベストセラーになる。絵物語全盛時代が到来し、他の作家とともに昭和20~30年代、少年雑誌各誌で活躍。昭和26(1951)年から『産業経済新聞』に連載した「少年ケニヤ」の人気で老若男女に愛される国民的な絵物語作家になる。

山川の確立した絵物語というジャンルは、劇画の母体になったといわれている。

平成4(1992)年没。享年84歳。

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